妊活ジャーニーVol.1【33才♡Yさん】
こんにちは、まいかです。
記念すべき最初のインタビューに応えていただいたのは、シンガポールで出会ったYさん!
- 元看護師ならではの病院選びの決め手
- 不妊検査と意外な結果
- 9回の人工授精と顕微授精へのステップアップ
- 治療中の心の浮き沈み
- 治療の相談ができる相手
- 仕事との両立
- 検査と治療の費用
- 不妊治療中に知っておきたかったこと
- あの頃の自分に伝えたいこと
- 治療なしで授かった二人目
などなどお聞きしました!(約11分ほどで読めます。)
2013年〜2015年の約2年、日本で妊活・不妊治療を経て、第一子を授かったYさん。
(治療終了時の年齢は33才・旦那様は30才)
それでは、Yさんの妊活ジャーニーをお伺いしていきましょう!
(以下、筆者▶🐤、Yさん▶Y)
《Yさんの治療内容》
- タイミング法:数回
- 人工授精:9回
- 顕微授精:2回
顕微授精は、1回目は新鮮胚での移植。
2回目は凍結胚での移植にて、第一子を授かり出産。
🐤:はじめに、どのように病院を選びましたか?
Y:私は元看護師で、学生時代に不妊治療の現場を見学したり、不妊治療の末に初めてのお子さんを出産する方のお産に付き添ったりする経験があったんです。
そのため、結婚前から不妊治療を身近に感じていて。
だから自分が不妊治療を受けよう、と考えたときに「長期化すると精神的に辛いだろうな」と思い、最初から妊婦健診やお産も取り扱う産婦人科ではなく、心理的サポートも厚い不妊治療の専門医を選びました。
🐤:不妊治療が長期化するにつれて変化しがちな精神面を治療前から想定して病院選びをされたのは、医療従事者ならではですね!
病院選びの決め手となったのはどういうポイントなのでしょうか?
Y:以前私が働いていた病院で勤務経験のある医師が不妊治療専門のクリニックを開業している、という話を聞いたんです。
ホームページを見てみたら、すごく丁寧に色々な説明が書かれていて。
スタッフの方のブログも充実していて、直接面識はなかったけど先生も信頼できそう、ということで決めました。
🐤:実際にどんな流れで治療開始となったのですか?
Y:治療開始時の私の年齢は31才、夫が28才でした。
結婚してすぐに妊娠を希望していたため、半年ほど自己流でタイミングをとって妊活していましたが、授からず。
実習の時の経験や治療経験のある先輩の話を聞いていて、早めがいいだろうとすぐに病院を探しました。
夫が20代で若かったこともあり、まずは妻である私だけ受診して血液内のホルモン値を調べたり、基本的な検査を受けました。
初回の検査結果は男性ホルモンの値が高く、妊娠しづらい場合がある、と指摘されましたが、その時の検査だけでは原因はよくわかりませんでした。
そのあと、しばらく仕事が忙しいなどの理由で5か月ぐらい受診せず…。
自己流でのタイミング法を続けていました。
今振り返ると、続けて行っておけば良かった、と思うのですが当時はなかなかでしたね。
まあ、はっきりと原因がないならそのうち妊娠できるだろうと。
(ほんとに基本的な検査しか受けていなかったにもかかわらず…)
🐤:振り返るとそうなんですけどね。その後は通院を再開されたんですね?
治療を本格的に受けることになったのでしょうか。
Y:はい。やっぱり自己流では難しいね、ということになって。
ようやく本腰を入れることにしました。
排卵検査薬や卵胞チェックをしながらタイミング法を数回しました。
そこで、初めて夫側の検査もしてみよう、となったんですよね。
夫は若いから、問題ないだろうって勝手に思い込んでたんです。
でも、初めての精液検査での結果があまり芳しくなかったんです。
それで人工授精へのステップアップを決めました。
🐤:旦那さんの反応はどうでしたか?
Y:初めはショックな様子でした。
私も男性ホルモンの値が高い、と言われたときは何となく女性という自分の性を否定されたような印象を受けたので、数値で突きつけられるというのはつらいと思います。
でも自己流で「何でダメなんだろう?」とモヤモヤしていたときよりも改善できるかもしれない、と前向きに考えるようになりました。
🐤:そして人工授精を9回も!トライされたんですね。
Y:そうなんです。
一般的に人工授精は3~5回までが妊娠の確率が上がるのですが、それ以降はあまり上がらない。にもかかわらず9回(ほぼ1年弱)続けたのは、
- 途中で子宮内ポリープを切除して、着床環境が変化した
- 体外受精へのハードルがかなり高かった
という2点です。
思えばこの時期が、メンタル的に相当しんどかったですね…。
朝いちばんに採取した夫の精液を冬の寒い日に保温バッグに入れて大事に大事に運んで。
そこで検査をしてから子宮内に注入してもらうんですが、検査の結果「本日の活動率では確率が高くなさそう」と言われたときは、1ヵ月の努力とお金がパーになった…と診察台の上で涙が浮かんでくることもありました。
🐤:治療中の心の浮き沈み、すごく理解できます。
Y:女性が多い職場で働いていたこともあり、同僚の中には、結婚後スムーズに妊娠する人も多くて。
表面上は笑顔で祝福をしていましたが、内心は素直に喜べなかったり。
そんなことないのに自分がひどく不完全な人間のように思えて苦しかったですね。
暗くなっていました。
🐤:不妊治療中は、性格変わりますよね。
Y:ほんとに。
あるあるかもしれないですが、年賀ハガキの「家族が増えました」みたいなのもほんとに見るのがつらかったです。
今は、ただただ可愛いな、としか思わないのに。
🐤:誰か相談できる人はいたんですか?
Y:基本的には夫と話していましたね。
医学的な知識もあるので主な方針は私が決めて、色々話して最終決定する…という感じで。
二人ともその頃は「子どもを授かって育てたい」ということが、最優先目標だったので治療に対する決定はスムーズだったと思います。
それから少し先を見据えて、「不妊治療で授からなかったとき」のことも話し合っていました。
二人で色々話すうちに「どうしても自分達の子じゃなければだめ」ではないことが分かり、最終的には養子を検討しよう、でも治療でやれるところまではやろう、と話していました。
あとは、実母に時折話していたのと、職場に人工授精で妊娠した先輩がいて、時々話をすることが出来ました。
🐤:不妊治療は、家族や友人など近い人とでも気軽に話せる話題ではないですよね。
少なからず、治療のことを聞いてくれる人がいて、安心して話せる場があったことはYさんの支えになったのでは?
Y:そうですね。
特に身近に治療経験のある先輩がいて、話が出来ていたのはラッキーだと思います。
まだ、私が結婚したての頃で不妊かどうかも分からないときだったのに話してくれて感謝しています。
🐤:フルタイムでお仕事をされていたんですか?
Y:はい。当時は、宿泊を伴う出張が多い仕事をしていました。
ただその一方で有給休暇がとりやすかったり、オフィス以外でも働くことができる職種だったため、不妊治療と仕事の両立は割としやすかったと思います。
女性の周期に合わせて週末も対応可能な病院だったため、頻繁に通院する必要がある顕微授精のときも安心して通うことが出来ました。
🐤:一般的に、不妊治療と仕事の両立は難しそう!(というか不可能!?)というイメージもありますが…。
Y:私の場合は、かえって仕事をすることが気晴らしになり、治療のことばかり考えすぎず、良いバランスで働けていました。
でも前職の看護師などシフト勤務の仕事だと、特に体外受精などの治療は相当難しかったのではないかと思います。
それでも体外受精となると、急に来院が必要になったり、人工授精のときとは違って病院に行く回数も増えるので、かなり仕事の調整をしました。
ラッキーなことに、ステップアップする少し前に異動があり、遠方への出張が少なくなり病院に通いやすくなりました。
🐤:やっぱり赤ちゃんとお母さんのタイミングが合う“その時”があるのかなぁと思わされます♡
🐤:ところで、治療にはどのくらいの費用がかかりましたか?
Y:ざっとですがこんな感じですね。
【検査・タイミング法】
(約141,000円)
- 基本的な検査(女性):約28,000円
- 3ヵ月間タイミング法で通院(女性):1周期あたり約5,000円
- 精液検査・HALO検査(男性):約20,000円
- 子宮卵管造影(女性):約20,000円
- フーナーテスト(女性):約8,000円
- 精液検査・クルーガー検査(男性):約20,000円
- 子宮ポリープ切除(女性):約40,000円【※保険適応】
【人工授精】(約250,000円)
- 人工授精1周期あたりの費用。卵胞のチェック等:約25,000円~30,000円
【顕微授精】(約461,000円)
《採卵~新鮮胚移植》
- 基本費用:224,640円
- 薬剤・検査費:62,410円
- 顕微授精・凍結等:210,600円
合計497,650円
《凍結胚移植》
- 凍結胚移植費用:188,360円
顕微授精にかかった総額:686,010円
助成金で返金された金額:225,000円
実際に払った金額:461,010円
🐤:ほとんどが自費診療で高額ですが、お金のところで悩むことはなかったですか?
Y:やはり成果が出ないと、お金が無駄になってしまったな…と感じることはありました。
ただ、夫と話して「年間で不妊治療費は、約100万円まで心置きなく使おう」という予算立てをしていたので、割り切って考えることはできていたように思います。
🐤:なるほど!不妊治療中に知っておきたかったことはありますか?
Y:一体いつ赤ちゃんが来るのか!?それは無理ですよね(笑)
夫の初診のタイミングが遅れてしまったので、男性側が若くても原因因子がないとは考えないで、女性同様に検査をしておいた方が良いことは知っておきたかったですね。
🐤:あの頃の自分に伝えたいことはありますか?
Y:今振り返ると、産後の育児のことも考えて、心を閉ざさずに赤ちゃんと関わってみてね、と言いたいですが…。
当時は、赤ちゃんを見ると辛くなるという精神的ダメージから自分を守るために、積極的に関わることは出来なかったですね。
🐤:私もそのひとりだったので、深く共感します。
Y:あと、どうしても近視眼的に目の前の「妊娠」にとらわれていたんですが、クリニックで看護師さんに「子どもは何人欲しいか、第二子はいつ頃欲しいか、長い目で考えて治療のステップも考えてみてくださいね」と言われて、すごくハッとしたのを思い出します。
🐤:そうですね、治療をしていると結果しか考えられなくなっていることが私もありました。
最後に、二人目のお子さんは治療なしでご出産されたとのことですが、一人目のときと環境が違ったのでしょうか?
Y:出産を経験すると授かりやすくなる、というのはあるみたいです。
それと、子どもとの生活で、お酒を飲むことが減り、就寝時間も早くなり、以前に比べて健康的になったのはあると思います。
🐤:ふむふむ、それは納得!
子どもとの生活は、とにかく体力勝負で必然的に早寝早起きになりますもんね。
衣食住を考える機会も増えて、自然と健康的な生活になるのも分かります。
Yさん、今回はインタビューに快諾してくれてありがとうございました♡
お話を聞いている時間は、治療をしていた当時の私をもあたたかく包んでくれたような時間で癒やされました。
Yさんの妊活ジャーニーを通じて、現在治療中の方が「きっと私たちも大丈夫」と前を向けるよう願っています♡
♡ひよこ🐤があなたに愛を伝えにやってきますように♡
まいか